〇『民主主義と教育』(デューイ著)メモ



☆第9章☆
人は、他人のために有益なことをするために自分自身を犠牲にすべきか、それとも、自分自身の魂の救済のためであろうと、内的精神生活や人格の確立の ためであろうと、専ら自分だけの目的を追求するために他人を犠牲にすべきか、そのどちらかに決めなければならない、というようなことを、どうして、 考えたりするのだろうか。・・・・・精神的であるとか宗教的であるとか公言しているこの世の非常に多くの思想が、この生き方の二元的対立の克服に 力を注がないで、自己犠牲と精神的自己完成という二つの理想を強調してきたことほど、大きな悲劇はない。この二元論はあまりにも根深く確立されて いるので、容易に打ち倒すことができない。だからこそ、社会的に有為な能力と人格的教養とが敵対するものとならずに、同じことを意味するものと なるような目的のために努力するとこが、現代における教育の特有の課題なのである。


☆第14章☆
学問的に系統立てて述べられている事実や真理のほかは何も認めない学者風の知識観の影響を受けて、教育が、初歩的な教材すなわち最初の教材がつねに ーー身体の使用や材料の処理を含むーー活動的行為の問題として存在することを認識しそこなうときには、教授の教材は、学習者の必要や目的から独立し、 それゆえ、暗記して、要求されたらすぐ思い出すべきものにすぎなくなるのである。