〇第1:序品
法華経の幕開けとなるのが序品(第一章)です。内容は、大きく分けて三つにわけられます。
第一の部分では、冒頭に「如是我聞(是の如きを、我聞きき)」の句があり、続いて、法華経の説法の場所となる王舎城の霊鷲山に、 たくさんの衆生が集まっていることが紹介されます。
序品では次に、釈尊が無量義処三昧(仏の無量の教えの根源の法に心を定める瞑想)に入って、種種の不思議な現象を表します。
釈尊が、この三昧から安詳として立ち上がり、説法を始めるのが、次の方便品(第2章)です。序品では、三昧に入って、神通力で種々 の不思議な現象を表すだけです。天から曼荼羅華や曼殊沙華などの花が仏や衆生の上に降ったり、大地が六種に振動するなどの現象が示 されます。これによって、その場の衆生はかってない気持ちになり、歓喜して一心に仏を見ます。すると仏は、眉間の白豪から光を放ち 、その光が東方の一万八千の世界をくまなく照らし出します。

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