〇第17:分別功徳品
分別功徳品は、こう始まります。「その時に大会、仏の、寿命の劫数長遠なること、是の如くなるを説きたもうを聞いて、無量無辺阿僧祇の衆生 、大利益を得つ」(その時、そこに集まっていた大勢の集いは、仏がその寿命の劫の数が長く遠いことと仏の本意を、このように説かれたのを聞いて、 無量・無辺・無数の衆生は、大いなる利益を得た。)この「大利益」については、こう説かれています。「或いは不退地に住し(進まざれば 退転、戦わざるは退転、この不退の境涯を得る) 或いは陀羅尼を得(聞持陀羅尼門のことで、聞いた教えを忘れない力を得る) 或いは 無げの楽説(自由自在に、相手の楽うところにしたがって、正法を説ける力のこと)万億の旋総持あり(旋陀羅尼ともいい、ものすごい 「回転」によって煩悩を分離させ、昇華し、仏の偉大さを示しきっていく精神力をいう) 或は大千界 微塵数の菩薩有って 各々に皆能く  不退の法輪を転ず(中略)是の如き等の衆生 仏寿の長遠なることを聞いて 無量無漏 清浄の果報を得(後略)」
<法華経の功徳について,在世の弟子に約して「四信」、滅後の弟子に約して「五品」の各段階を立てる。四信とは、①一念信解(一念の 信心を起こす)②略解言趣(説かれたことの趣意をほぼ理解する)③広為他説(広く他人のために説く)④深信観成(深く信じ真理を観じ て理解する)。五品とは①初随喜品(法華経を聞いて随喜の心を起こす)②読誦品(法華経を読誦する)③説法品(自ら受持し他人のため に説く)④兼行六度品(法華経を受持する傍らに六波羅蜜を行ずる)⑤正行六度品(六波羅蜜を本格的に行ずる)>








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