〇第20:常不軽菩薩品
仏法は一体、何を説いたのか。その結論が法華経であり、具体的実践は不軽品につきます。常不軽菩薩品には次のように書かれています。
この比丘(出家の男性)は、いかなるいわれによって、「常不軽」と呼ばれるのか。それは、この比丘が、比丘であれ、比丘尼(出家の 女性)であれ、優婆塞(在家の男性)であれ、優婆夷(在家の女性)であれ、目にする人々のだれに対しても礼拝し、ほめたたえて、次 のように言うからである。「私は深く、あなた方を敬います。決して軽んじたり、慢ったりいたしません。なぜなら、あなた方は皆、 菩薩道の修行をすれば、必ず仏になることができるからです」と。
不軽菩薩は、その後も、生まれるたびに諸仏に仕え、法華経の広宣流布へ「心畏るる所無く」戦い続けます。そして仏になります。そこまで 語って、突然、釈尊は「この不軽菩薩とは、だれのことか?ほかならぬ私のことなのだ」と宣言するのです。
不軽菩薩が上慢の四衆から迫害を受けたのも、過去の法華経誹謗の故であり、それに耐えて法華経を弘めたことによって、過去の重罪を消滅 したのである。法を説いて、どんなに反対され、迫害されても、「これで自分の罪業を消しているのだ」と喜んで受けきっていきなさいと いうことです。「嘆いてはならない」と教えてくださっているのです。

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