〇第25:観世音菩薩普門品
池田名誉会長:人の心を一番深くとらえるものはなんだろうか。さまざまに言えるだろうが、やはり、「慈愛」であり、「優しさ」では ないだろうか。「あの人は、自分のことを、本気になって心配してくれた」「わがことのように祈ってくれた!」「大事にしてくれた!」 「目に涙して叱ってくれた」「優しかった」その思いでは、生命に刻みつけられて離れない。指導者の根本条件も「慈愛」です。 これしかない。大事に大事に皆を守っていくことだ。私は、「観音品」というと、この「慈愛の指導者」を思い浮かべる。
観音ー観世音菩薩。観世音とは「世音を観ずる」という意味です。世の中の、ありとあらゆる音声を、悩みの声を、大きな慈愛で うけとめ、抱きとって、その声に応えてあげる。その「限りない優しさ」が、観音菩薩ではないだろうか。
じつは、観音菩薩とは、寿量品で示された久遠の本仏の生命の一分です。宇宙と一体の本仏の「限りない慈愛」を象徴的に表した のが観音です。だから久遠の本仏を離れては、観音菩薩の生命はない。



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